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* この文章は2001年頃に書かれたモノです。ご注意下さい。

 

 これから夏の暑い時期を迎え、心配になってくるのがパソコンの熱対策。パソコンは熱に弱い。というか、実は極端に弱いわけではないのだが(静電気や水のほうがよっぽと天敵だ)、パソコン内部には様々な熱の発生源があるため、冷却がきちんと行われていないと、異常なほど高温となり、熱暴走を起こしてしまうわけなのだ。

 

 熱暴走とは、パソコンケース内に熱がたまり、極端に高温となり、それが原因でパソコンが不安定となり、フリーズしたり正常に動かなくなる現象を言う。人間だって、暑くなると仕事がしたくなくなる。それとほぼ同じことだ(たぶん違う)。「パソコン版熱中症」だと思っておけばとりあえず理解できるだろう。

 そこで、パソコンケースにケースファンを取り付け、パソコン内部に新鮮で冷たい空気を送り込み、内部の熱くなった空気を強制的に排出させ、温度の上昇を抑えてやろうというわけだ。ケースファンは、安いものなら1000円ちょっとで買えてしまう。

 ただし、基本的に、メーカー品のパソコンは、普通に使っている分には冷却を考える必要はない。当然、製造段階で必要十分な冷却が考えられているからだ。よって、クーリングを考慮しなければいけないのは、次のような場合になってくる。

・ グラフィックカード、キャプチャカード、テレビチューナーカード、SCSIカード等、発熱の多い拡張ボードを装着している。
高速(7200回転)のハードディスクを増設した。
・ 長時間ゲームに没頭する。
・ 電源部を発熱量の多い物に換装した。
・ クロックアップした。
・ 排気効率の悪いPCケースを使っている。
・ 蒸し暑い部屋にパソコンを置いている。
・ 最近、マシンの調子が悪いのは熱暴走だと思う。

 いまいちわからない人は、パソコンを1時間ぐらい使ってから、おもむろにケースを開け、内部に手を入れてみよう(このとき、よそ見しながら手を入れると、CPUファンに指をつっこみ、とても痛い思いをするので要注意だ。痛かったぞ)。また、ハードディスクや拡張ボード類にも触れてみよう。「やばいんじゃないか?」と思えたら、冷却化だ(いい加減)。

 

まずは熱の発生源を知ろう

 効率よく冷やすには、まず、どこが熱の発生源か知っておく必要がある。マニュアルを参考に、パソコンの蓋を開けてみよう。機体差があるので、厳密なことは言えないが、熱の発生源となっているのは、電源部、CPU部、拡張ボード(カード)部、ハードディスク部の4カ所が上げられる(画像赤のエリア)。

 実際に数時間パソコンを使ってから蓋を開ければ、温度を体感できるので、発熱部を容易に特定できるだろう。

 次に、現状での風の動きを確認する。これは、蓋を開けたまま電源を入れて確認すればよいだろう。よくわからない場合は、ティッシュを細く切り、それを使って、各部の風の動きを確認すると良い。

 私のマシンでは、画像の青色部分、すなわち、電源、CPU、グラフィックカードの3カ所にファンが設置してあり、実際の風の動きは、だいたい、緑色のラインとなった(本当はもっと複雑なのだが)。

 

 

効率の良い冷却方法を考える

 ここまでの情報が確認できたら、いよいよ、どうやって冷却するかを考えることになる。まずは、自分のマシンの吸排気口を確認しよう。

後部外から

前部外から

後部の吸排気口は8センチと12センチ両方の留め穴があった。

8センチ用の留め穴しかない。一般的には、もっと下に位置する場合が多い。

後部中から

前部中から

 通常であれば、吸排気口はPCケースの前部と後部にそれぞれ一カ所ずつあるので、ケース内にたまった熱を効率よく排出するために、ケースの形状や、拡張ボードの位置、また、熱い空気は上に移動すること等を考慮し、それぞれを吸気させるか・排気させるか、また、吸気を強くするべきか・排気を強くするべきか考えよう。

 前後の吸・排気ファンを利用して、効率よくケース内に風が回るような、空気の流れを作ってやるのである。

 

 例えば、私のマシンの場合、前部の吸排気口は、ちょうどハードディスクの前に位置するので、そこから吸気させれば、ケース内に冷えた空気を入れることができるとともに、同時にハードディスクを直接冷やすこともできる(画像右側の水色ライン)。

 後部の吸排気口は、8センチと12センチの、両方のサイズのファンを取り付けることができる。12センチサイズの大きなファンを、排気の向きで取り付ければ、強い排気力が生じ、吸気ファンがなくとも、全部の吸気口から自然に空気を取り入れることができる。

 

 また、バランスよく吸排気させることも考えておくと良い。吸気が弱いのであれば、吸気用のファンは大きいもの、もしくは高回転のものを選び、吸気の風量を高くする、といった具合だ。ただし、通常であれば、排気用のファンをつけておけば、吸気は気圧差から自然に行われるので、それほど注意を払う必要は無いとも言える。

 ケースのどこから吸気されるか確認しよう。

 後部で排気していて、吸気ファンが弱い場合、もしくは吸気ファン自体がない場合、CDドライブ周囲の"すきま"などから吸気されることになる(上の画面で言えば右上部分)。この場合、吸気空気には多かれ少なかれホコリが混ざっているので、ドライブにホコリがたまるようになり、(確率的には低いが)ドライブ自体を壊す恐れもあり得る(CD等のドライブはホコリに弱い)。

 こういった場合、吸気用のファンを設置し、「吸入空気の取り入れ口」を固定することで、他の場所から空気を吸わないようにすると良いだろう。

 

注意すべき点

 しかし、単純に風の動きだけを考えればいいわけではない。いくつか考慮しておくと得することがあるので、それらについてここで述べておこう。

 

ファンの種類: 

 まずはファンのサイズだ。ケース用ファンは12センチの物と8センチの物がある。吸排気口の取り付け穴同士の距離を確認して、どちらが取り付けられるのかを事前に確認しておこう。

 また、単純にファンといっても、様々な回転数の物がある。単純に「サイズが大きいほど風量が大きくなる」、「回転数が早くなるほど風量が大きくなる」と考えよう。この、サイズと回転数の種類により、吸排気のバランスを採ることができる。ただし、メーカーによっては、同じサイズ・回転数でも、風量が異なることがあるので、注意しよう。

 

騒音の問題: 

 ファンを増やせばそれだけ騒音がひどくなる。よって、例えば、排気が十分なマシン・PCケースであれば吸気ファンだけを追加し、排気ファンはあえてつけない、もしくは、排気用のファンは回転速度が遅いものにする(回転速度が遅ければそれだけ騒音は少なくなる)といった選択をすれば、騒音を防ぐことができる。

 この「マシンの静音化」は奥が深く、ここで全てを述べることができないが、いくつかネットで収集した情報をまとめておくので、参考にして欲しい。

・ 8センチサイズの高速ファンよりも、12センチサイズの低速ファンの方が静かだし、冷却効果も高い。

・ サイズが大きくて低速な物は、騒音の周波数が低くなるため、それほど耳につかなくなる。

・ 「ボールベアリング」タイプのファンが静かなのでお薦め。極端に安い物は、やはりそれなりに音がうるさかったり、寿命が短かったりすることが多いので(ファンは消耗品なのである)覚悟しよう。

・ 静寂なファンとしては「山洋電気」社のものがよく知られている。ちょっとしたお店なら扱っているし、近所で見あたらない場合は、大手ネットショップで簡単に購入できる。

・ 国産のファンは精度が高いのでお薦め。精度が悪いものは騒音がひどく、ファンの寿命も短くなる。

 ケース前部に厚みがある場合、前部ファンの騒音を抑えてくれることがある。

・ ファンの取り付け位置にも気を配ると良い。例えば、マシン前部にファンを取り付ける場合、通常であれば、マシン後部よりもマシン前部の方が利用者に距離が近いため、後部のファンよりも、前部のファンの騒音のほうが気になってくる。

 この場合は、マシン後部に音のうるさいファンを取り付け、マシン前部に音の静かなファンを取り付けた方が、静寂化の観点からすると、良いわけだ。また、PCケースによっては、ケース前部に厚みがあるため、これとは逆のことが生じることもある(もちろん、パソコンを置く向きによっても、これは変わってくる)。

・ どうしても騒音が気になる場合は「サーミスタ (温度センサー付) 」付きの物を選ぶこれは、検知した温度に応じて回転速度を調整するため、不必要な騒音を防ぐことができる。

・ 騒音を気にする人は、そもそも補助ファンを付けてはいけないらしい(笑。「ケースのふたを開けて扇風機を直接当てれば静かだし驚異的な冷却効果だ」という報告があったので、静音派の方はお試しアレ!

 

取り付け

 取り付けに関しては専門的な知識はほとんど必要ない。ファンの向きに注意し、取り付けネジを使って固定するだけなので、以下では、留意点だけを挙げておこう。

 なお、ケースのレイアウトによっては、ファンの取り付けの際に、ハードディスクやコードを外したりする必要がある。後でわからなくならないよう、外す前には、コードがどこに差してあったか、簡単にメモしておこう。

取り付けねじ: 

 ファンにはファンを固定するネジが付属していない物があるので、購入時には注意しよう。私が購入したお店では、ネジはゴム製の物と一般的なスクリューネジの、2種類があった。ゴム製の方が耐震性が優れる(=静寂化につながる)そうなのだが、私が利用してみた限りでは、どちらも変わらなかった。

電源: 

4ピン二股ケーブル付きのファン。

 ファンを回すには、当然、電源が必要となる。電源コードには2種類あり、3ピン(小さい)と4ピン(大きい)がある。

 4ピンのものは、ドライブやハードディスクに電源を供給しているコードと同じなので、余っている4ピンのケーブルを引き回して使うか、余っていない場合は二股ケーブルを別途購入し、それを利用してファンに電源を供給しよう。

 ファンによっては、ファンから出ているケーブルが最初から二股ケーブルになっているものもある。s

マザーボードのファン用電源。

 3ピンのものは、マザーボード(基盤)から直接電源を取ることができる。ただし、マザーボードによっては、CPUファン用の電源しかなく、追加用のファン電源が用意されていない場合がある。その場合は、別途、3ピン用の二股ケーブルを購入し、CPUファンの電源を二股にして使おう。

 

 なお、ファンには、当然だが風向きがある。ファンの周囲を注意深く見ると、矢印が書かれており、その矢印の向いている方が風向きとなっている。間違って逆に取り付けると、吸排気が逆になってしまうので注意しよう。

フィルター: 

 吸気ファンにはフィルターをつけておくのが好ましい。クーラーのフィルターと同じで、目には見えなくても空気中にはホコリが含まれているからだ。

 フィルターをつけると、風量が低下してしまうが、パソコンは塵やホコリに弱いので、購入しておくことをお勧めする。場合によっては、フィルターによる風量低下を見越して、回転数の高いファンを用意してもいいかもしれない。

 

 

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