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高感度(ISO)と光学手ブレ補正の解説 〜各カメラの夜景撮影比較 (2007/09/02)
「シャッター」とは、カメラにとっての「目」になる部分です。簡単に言うと、カメラも私達人間と同様、「シャッター」という目を通して見たものを写真にしているのです。
しかし、カメラが写真を写すために目を開けている時間は、通常一瞬なので、我々人間にとって十分な明るさがあるように感じられても、カメラにとっては明るさが不足することが多いのです。そんな時、カメラはよく見るために、長い間目を開けようとします。この、目を「どれだけ長く開けているか」がシャッター速度となります。
目(シャッター)を開けているときに、体(カメラ本体)が動いてしまうと、写真がぶれてしまいます。これが手ぶれです。また、シャッターが開いている間に被写体(写している人や物)が動いてしまうと、そこだけぶれてしまいます。これが被写体ぶれです。
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シャッター(目)が開いている間に、カメラを構えている腕や自分の体が動いてしまうと、その「動き」がブレとして写ってしまう。これが手ぶれ。手ぶれを防ぐには、(ISOを高めて)シャッター速度を速くするか、安定した撮影体勢(三脚を使ったり、体ごと壁によりかかる)を取るようにするとよい。 |
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逆に、自分が動かなくても、シャッター(目)が開いている間に写っている人や物動いてしまうと、その人や物だけがブレてしまう。これが被写体ぶれ。被写体ブレを防ぐには、(ISOを高めて)シャッター速度を速くするか、被写体に動かないように声をかけると良い。 |
ですから、より長い間目を開けていると(=シャッター速度が遅いと)、それだけぶれが発生する確率が高まってしまいます。写真を写す際に自分の手は全く動いていないと思いがちですが、実際は微妙に手も振動しており、それが手ぶれとして写真に反映されてしまうのです。
それを回避する一つの手段が、高感度(高ISO)です。感度は、どれだけ目を見開くかに相当します。たとえ、目を開けている時間が短かったとしても、その間、カッ!と大きく目を見開けば、長く目を開いていたのと同じぐらい、良く見ることができます。当然、目を開けている時間が短くなれば、それだけぶれが起きる可能性も低くなります。
ただし、高感度(高ISO)は、ノイズ(画像のザラザラ感)が増えるという欠点があります。また、デジタルカメラによっては増えたノイズを無理に消すので、そのあおりを食らって画像の輪郭まで崩れるという悪影響が生じることもあります。
もう一つ手ぶれを回避する手段として、光学手ぶれ補正という機能があります。これは、ソバ屋の出前バイクのソバを載せる荷台と同じように、体(カメラ)が揺れても目(シャッター)が揺れない構造のことです。そのため、手ぶれを起こしても、手ぶれがないように撮影ができるので、シャッター速度を遅くしても手ぶれが起きにくくなります。
ただし、光学手ぶれ補正機能はどんな手ぶれも修正できるわけではなく、その効果はほんのわずかな動きのみです。また、手ぶれ補正機能はカメラ(自分の手や体)の動きだけを防ぐので、被写体ぶれには全く効果がありません。さらに、万能な機能ではないので、きちんと補正できたり、うまく補正できなかったりします。
そのため、ぶれの無い綺麗な写真を撮るためには、高感度、光学手ぶれ補正機能の長所と短所を理解した上で、腕や体がぶれない正しい姿勢と組み合わせることが大切です。
では、各デジカメによる暗い場所での撮影結果を見比べてみましょう。
通常モード(フルオート撮影)の比較
特に難しいことを何も考えずに、手軽に夜景を撮ったらどうなるか、という比較です。設定は全自動なので、カメラの頭脳が試されます。
こういった条件下では光学手ぶれ補正機能付きのLUMIXが有利で、手ぶれ感の少ない写真が撮れました。FinePixはISOを640まで積極的に上げてきて、手ぶれが起きないようにしてくれます。IXY L2は光学手ぶれ補正機能が無いため手ぶれが起きていますが、発色の良さはさすがキャノンといったところでしょう。それぞれ利がありますが、デジタル一眼のK100Dは手ぶれもなく、発色も良く、反則な位に綺麗に写っています。
通常モードでISOを上限まで上げた場合の比較
各機種最大ISOで撮影です。ISOが高くなればその分シャッター速度を速くすることができるので、手ぶれは起きにくくなります。しかし、ISOが高くなるとノイズが多くなったり、そのノイズを強制的に消そうとするあまり画の輪郭が崩れたりします。そのため、高感度撮影時には「どれだけノイズ感が少ないか/どれだけ輪郭が崩れていないか」に注目して比べると良いでしょう。
やはり、高感度に強いFinePixのノイズ感の無さは圧倒的です。ISO-800の画像なのに、ノイズ感の少なさはLUMIXのISO-200の画像に匹敵します。また、K100DはISO3200まで設定できるのですが、今回は1600で撮影してみました。K100Dはコンパクトデジタルカメラと異なり、CCDサイズが大きいデジタル一眼なのでノイズ感が非常に少ないです。
どの機種もこの程度のノイズ感であれば、画像ソフトを使い縮小することでノイズが吸収されます。例として、IXL L2の画像を400x300にリサイズした画像を載せておきます。

これなら「綺麗に撮れたね」と言われるレベルです。三脚等の準備がない場合、夜景を撮るには「高画素+高ISO+ブログに載せるときは縮小」が、お決まりのパターンです。ちなみにこの画像を、JTrimで「ヒストグラム→ノーマライズ」処理を行い、ガンマを「-0.8」に、明るさとコントラストをそれぞれ20上げてやると、

明るさがクッキリ出てきます。こういう画像でガンマ値を上げるとノイズが目立ってくるので、ガンマは下げ気味にして、明るさとコントラストを上げる修正を加えると良いでしょう。
夜景モードの比較(夜景モードが無い機種は通常モードで比較)
次に夜景モードでの撮影を比較します。夜景モードは各社ともISO感度を下げ、シャッター速度を遅くする設定になっているため、手ぶれを起こしやすくなります。通常は三脚を使って撮影するためのモードなので手持ちで利用するのは無謀なのですが、今回は敢えて手持ちで撮影します。
光学手ぶれ補正のない機種にとって、低ISO+手持ちでの夜景撮影は自殺行為に等しいですが、光学手ぶれ補正搭載のLUMIX DMC-FX01にとっても、シャッター速度1.6秒というのは試練です。今回はほとんど手ぶれのない写真が撮れましたが、これは「奇跡の一枚」といえます。なにせ、これ以外のLUMIXの画像は全て

こんな感じになっていました。しかしながら、逆から言うと、光学手ぶれ補正機能があれば、夜景モードといえども、奇跡の一枚が誕生する可能性があるということになります。
そして、光学手ぶれ補正機能+デジタル一眼のPentax K100Dは、夜景モードにしてもシャッター速度が1/5秒。ISOが800ですがほとんどノイズ感の無い写真が撮れます。
カメラを橋の欄干に押しつけて夜景モードで撮影(K100Dのみ手持ち撮影)
綺麗に写すには、夜景モード+三脚使用が一番なのですが、三脚を常に持ち歩いていることは滅多に無いでしょうから、三脚がないのに夜景を取りたい場合は、カメラを何かの上に置いたり、壁に押しつけたり固定して撮影することになります。今回は橋の欄干に押しつけて夜景モードで撮影しました。どの機種でもブレの無いシャープな夜景を写すことができます。ただし、橋は意外と風や通行者、通行車により揺れやすい建造物なのでご注意下さい。
こうなってくると、画の作りの上手いキャノンが有利になってきます。フジフィルムのFinePix Z1は夜景モードでも遠慮無くISOを200まで上げてきました。三脚を使っていてもブレることがあるので、ある程度シャッター速度が速くなることは嬉しいかもしれません。
デジタル一眼レフカメラのPentax K100Dの写真は手持ち撮影です。デジタル一眼を使えば、三脚を使ってコンパクトデジカメで撮影した以上の夜景写真を、手持ちで撮影することができるということになります。
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